今週のオススメ(2021/7/18)
・海堂尊『ブラックペアン1988』上下 講談社文庫 2012/4/13 小説
「チーム・バチスタの栄光」シリーズはどれを読んでも面白いです。もちろんこれも、この続編も面白いです。数年前にドラマ化されて話題になりましたね。ドラマとは内容が若干違いますが、面白ければそれもありかな、と思います。
・黒田龍之助『外国語を学ぶための言語学の考え方』 中公新書 2016/2/24 言語
正直、このダークグリーンの表紙は重苦しくてあまり好きじゃないんですが……見た目と違って中身はすごく軽快で読みやすかったです!これから語学学習するという人向けというより、ある程度語学学習の醍醐味を知っている人のほうが共感できるかもしれません。黒田先生の講義を聞いている心地になり、もっと聞きたくなります。
・新渡戸稲造『自警録』 講談社学術文庫 1982/8/6 思想・哲学
すこし読みにくいといえば読みにくいですが……それでも著者が生きていた時代の価値観(ざっくり100年前くらいと思って)と、現代の価値観でも、根本的には通じるところがたくさんあるなぁと感じます。これ一冊読破するには多少の気合いが必要ですが、とりあえず本棚に並べておいて、少しずつ読み進めていくのもいいのではないでしょうか。
今週のオススメ(2021/7/11)
・石田衣良『池袋ウエストゲートパーク』シリーズ 文春文庫 2001~ 小説
文庫では現在14巻、単行本では15巻まででています。長瀬智也主演でドラマ化された時にずいぶん話題になりましたが、シリーズはまだまだ続いています。ストリートキッズに焦点を当てたミステリー……と一括りにできない深さと広さがあります。その時々の社会問題を扱うことも多く、考えさせられることもしばしばです。
・北方謙三『楊家将』上下 PHP文庫 2006/7/3 歴史小説
10世紀末の中国、宋の時代の物語です。楊家の一族それぞれがどう乱世を生き抜いたか……のちの北方『水滸伝』『楊令伝』の源流というような物語です。続編の『血涙』も同じくらい悲哀に満ちていますが、どれもおすすめです。『水滸伝』『楊令伝』が長編過ぎて手が出ない……という方はまずはこちらからどうぞ。
・安藤俊介『アンガーマネジメント実践講座』 PHPビジネス新書
2018/11/16 思想・ビジネス
「イラッとしたら6秒数えろ」のキャッチフレーズで有名ですね。でもなかなか6秒耐えるのって難しくて、成功したことはないんですが……それでも自分の怒りの沸点や怒りの基準を客観的に把握することでずいぶん自分の感情と向き合えるようになったかなと思います。いろんなバージョンが出ていますし、朝日文庫の入門編から読んでもいいかもしれません。
これまでのまとめ
【小説】
・塩田武士『デルタの羊』 KADOKAWA2020
・原田マハ『本日は、お日柄もよく』 徳間文庫2013
・劉慈欣『三体』 早川書房2019
・水野敬也『雨の日も晴れ男』 文春文庫2008
・長浦京『アンダードッグス』 角川書店2020
【歴史小説】
【歴史】
・田中靖浩『会計の世界史』 日本経済新聞出版2018
・塩野七生『ローマ人の物語』シリーズ 新潮文庫2002~2011
・マーク カーランスキー『塩の世界史』上下 中公文庫2014
・フェルナン ブローデル『地中海』1~10 藤原書店1999
【ノンフィクション】
・ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』 新潮社2019
【人物・伝記・旅行記】
・守屋淳『渋沢栄一「論語と算盤」の思想入門』 NHK出版新書2020
・ワシントン アービング『アルハンブラ物語』 岩波文庫1997
【思想・哲学・経済】
・山本七平『「空気」の研究』 文春文庫1983
・マイケル サンデル『これから「正義」の話をしよう』 早川書房2010
・ダン アリエリー『予想どおりに不合理』 早川書房2013
・田坂広志『なぜ、優秀な人ほど成長が止まるのか』 ダイヤモンド社2018
【雑学】
・川上和人『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ』 新潮社2017
【コミック】
・吉田秋生『BANANA FISH』 小学館1985~1994
今週のオススメ(2021/6/27)
・長浦京『アンダードッグス』 角川書店 2020/8/19 小説
中国返還前夜の香港を舞台にしたミステリーです。続きが気になって仕方なくて、翌日も仕事なのに気がついたら夜通し読んでいたという後でちょっと後悔しつつも自己満足してしまう……そんな作品でした。
・川上和人『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ』 新潮社
2017/4/15 動物学
学者とは思えない軽快な文章に魅了されました。特に鳥に興味があるわけではないんだけど……という方でも、文章がおもしろいのでさくっと読めます。「鳥類学者、無謀にも恐竜を語る」という本も面白かったです。ぜひあわせてどうぞ。
・ワシントン アービング『アルハンブラ物語』 岩波文庫 1997/2/17 旅行記
原書は1832年に発表、アメリカ人外交官アービングがスペインのグラナダを訪れ、そこで滞在し体験したことを基に書かれています。日本語訳は1949年に初めて出版され、こちらは新訳版です。訳注もあるので読みやすいです。今でこそ有名なアルハンブラ宮殿ですが、当時、旅行中に突然遭遇したらそれはまた感慨深かっただろうなぁと思います。
今週のオススメ(2021/6/20)
・水野敬也『雨の日も、晴れ男』 文春文庫 2008/6/10 小説
読み始めは不思議な世界観についていきにくい感じもあったんですが、読み進めていくうちにじんわり楽しくなってきます。読み終わったらもう、忘れられない一冊になりました。ちょっとほっこりしたいときにおすすめです。
戦時中の作者の少年時代をベースにした自伝的小説。ドラマ化や映画化もされました。活字に手を出すハードルが高いという方は是非映画からどうぞ。かつてこういう時代もあったのかと、ときどきは意識するのも大切だなと思います。
・田坂広志『なぜ、優秀な人ほど成長が止まるのか』 ダイヤモンド社
2018/10/18 思想
周りに「あの人、頭いいんだけど、仕事は……」という人いますよね…。なぜそうなるのか、分かりやすく分析してくれています。そういう人ほど、一緒に仕事しにくいなというストレスがかかるもの。でもどうしてそうなったのか理屈が頭に入っているだけでも、そういう人に対する心構えがちがってきます。
今週のオススメ(2021/6/13)
・小野不由美『十二国記』シリーズ 講談社X文庫 1992~ 小説
壮大な歴史ファンタジーのシリーズです。2012年に新潮文庫で新デザイン(同じ山田章博さんのイラスト)でシリーズすべて刊行されており、さらに続編が刊行中です。主人公が異世界に連れ去られて……という珍しくないスタートですが、気づいたら一気に読破していました。
・池井戸潤『下町ロケット』 小学館文庫 2013/12/26 小説
続編もいくつかでていてドラマ化もされましたね。池井戸さんの作品はもちろん他の作品もすきですが、私としてはコレが最初に読んだからだったのか…一番贔屓の作品です。
・フェルナン ブローデル『地中海』1~10 藤原書店 1999 歴史
原書は1949年出版、これ以外にもいくつかのバージョンで翻訳出版されています。おもに16世紀の地中海世界について書かれていますが、量がすごいので全部読むには気合が必要です……なので、興味があるところだけのつまみぐいでも十分読んだ感味わえます。読めば読むほど自分の無知さに気づくという厳しい本でもあります。
今週のオススメ(2021/6/6)
・劉慈欣『三体』 早川書房 2019/7/4 小説
中国人作家によるSF小説。原書は2008に単行本化、三部作のうちの一作目。とにかく話が進めば進むほどスケールが大きくなっていきます。つい最近日本語翻訳版が三作目まで刊行されました。私はこれから三作目を読むところなんですが……
・ダン アリエリー『予想どおりに不合理』 早川書房 2013/8/22 行動経済学
頭ではわかってるつもりでも引っかかる人間の行動の不合理さがしみじみします。ふと立ち止まって身の回りにある商売の仕組みを考えてみると、コレもあてはまるかも……ということに気がつくかもしれません。経済学と心理学を混ぜてみたらこんな感じなんでしょう。
・吉田秋生『BANANA FISH』 小学館 1985~1994 コミック
全19巻、番外編1巻。文庫版で全11巻、番外編1巻。2018年にアニメ化。少女マンガとは思えないクライムアクションの連続……ですが、テーマとしては主人公の自由と孤独について、というところでしょうか。完結してから約四半世紀後にアニメ化とは珍しい気もしますが、アニメも秀逸でした。