Tanto Monta

読んでみてほしい本を気まぐれに紹介するブログです。

今週のオススメ(2021/5/23)

・塩田武士『デルタの羊』 KADOKAWA 2020/10/7 小説

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一つの物語がアニメ化されるまでの艱難辛苦が心に沁みます。アニメ業界のビジネスモデルなど、なかなか想像しにくい制作側の部分も読む価値ありです。

 

近藤史恵サクリファイス』 新潮文庫 2010/1/28 小説

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ロードバイク競技を題材にした小説。チームのエースの勝利のために、自分が犠牲になることもあるという競技のえげつなさ……主人公の葛藤に心が揺さぶられます。続編の「エデン」や「スティグマータ」もオススメです。

 

レティシア コロンバニ『三つ編み』 早川書房 2019/4/18 小説

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三つの独立したストーリーが、最後は三つ編みのように一つになるという小説。それぞれのストーリーの主人公の生き様がとても力強いもので素敵です。

 

パウロ コエーリョ『アルケミスト』 角川文庫 1997/2/21 小説

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羊飼いの少年がアンダルシアからエジプトのピラミッドを目指して旅する物語。人と出会い、人生の知恵を学んでいく。夢とか勇気とかを思い出させてくれる本です。

 

宮城谷昌光管仲』上下 文春文庫 2006/7/7 歴史小説

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中国の春秋戦国時代に生きた男たちの物語。「人が正しい生きかたを本心から望むかぎり、あるとき天意が閃く。その一瞬をみのがさず、信じ、努力することが天意にかなった生きかたである(本文より)」人はどう生きるべきかとひたすら考えさせられる物語です。

 

塩野七生ローマ人の物語』シリーズ 新潮文庫 2002~2011 歴史

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古代ローマの始まりから終焉まで、文庫で全43巻の長編です。共和制の時代やカエサルの活躍時代など、気になる部分だけ手に取るということでもいいのではないでしょうか。読んでいるととりあえずローマに行きたくなります。

 

・マイケル サンデル『これから「正義」の話をしよう』 早川書房 

                           2010/5/22 政治哲学

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「1人を殺せば5人が助かる状況があったとしたら、あなたはその1人を殺すべきか?(本文より)」私たちが生きるうえで直面する、正解があるのかないのかわからない問題に向き合う本です。講義形式の「ハーバード白熱教室」もオススメです。

 

・田中靖浩『会計の世界史』 日本経済新聞出版 2018/9/26 経済・歴史

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財務会計」とか「帳簿」という単語に拒否反応が出る人でも読めます。エンタメ性が高くてこれほどわかりやすい会計の本には出会ったことがありません。そもそもの商売の仕組みがどうなっているのか気になるけれど、難しそうだから敬遠していたという人にオススメです。

 

守屋淳渋沢栄一論語と算盤」の思想入門』 NHK出版新書 2020/12/10 人物

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2021年の大河ドラマで取り上げられて話題になっていますね。渋沢栄一についての書籍は、同じ著者からもすでに何冊か出ていますが、これがダイジェストになっていてさらっと読めます。

 

山本七平『「空気」の研究』 文春文庫 1983/10/1 思想・哲学

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「部長、なんでさっきの会議で発言してくれなかったんですか!」「いやいや、口を挟めるような空気じゃなかっただろ――」の『空気』ですね。そういう『空気』の醸成とその『空気』に水を差すことの研究です。ちょっと言葉遣いが古いので読みにくい部分もありますが、現代にも通じるものばかりで頷いてしまいます。